We always kill to get rid of something. But most people who kill get rid of themselves.
今日は毎月一日映画の日。ということで渋谷のイメージフォーラムへ映画を観に行ってきました。
友人に勧められて観にいったのですが、想像していたのとは少し違いました。
というのも、「今年二回目に泣いた映画。」と言われていたので、もっと感動的な何かもしくは笑えて心があったかくなる何かだと思っていたのです。
ですが、まぁこの予告編を観て分かるとおりかなり渋いミステリーサスペンスでした。
で、どうだったかと言いますと・・・非常によかったです。
最近観にいっていた映画が、分かりやすく楽しめて後味のいい物ばっかりだったこともあって、この映画はとても胸に来ました。見終わって劇場を出た後に余韻が残る映画。
あらすじは、
田舎の町へ妻と二人バカンス中の警視が、ある男の訪問をきっかけに保険金詐欺事件を調べていく。その頃、警視の異父弟がバカンス先を訪ねてきて、夫婦のバカンスは台無しに・・・複雑怪奇な人間模様に翻弄される主人公・・・という感じ。 メグレ刑事の事件簿的なものです。推理小説っぽい。
で、この映画の何がよかったか一言でまとめると、「人の描き方」。
主題である保険金詐欺事件を刑事という視点から描きつつも、サイドストーリー的に同時に進行する弟や奥さんとのやり取りから、彼の人格の深いところを描く。しかも観ていて程よい緊張感を漂わせつつ不自然にならない程度に。コレって凄い技術だと思いました。
映画を撮ったことが無いから推測に過ぎないけど、色んな事を絡み合わせながら「どうだ、凄いだろ!」っていう作品を作るよりも圧倒的に、バランスのよいストーリーと演出、そして程よい余韻を残すっていうことが難しいし、きっとそれがうまくいっている作品が名作なんだと思うのです。
だから、この映画はよかった。
分かりやすくてただ楽しい映画もいいと思いますが、観終わって映画館を出た後に、「そういえば、あのシーンってそういうことだったのかなぁ・・・?」みたいな余韻というか楽しむ余地を残してくれる映画って本当に素晴らしいと改めて思ったのでした。
一つ惜しいのは、この作品の監督であるクロード・シャブロルさんはこの作品を最後に亡くなってしまっているという事。素晴らしい映画でした。ご冥福をお祈りいたします。
0 件のコメント
コメントを投稿