8/16/2011

コクリコ坂から

そういえば、スタジオジブリの新作「コクリコ坂から」観て来ました。うん。
正直期待してませんでした。一応今までのジブリは全部観てきたしゲド戦記も観たけど、やっぱり宮崎吾朗監督の手腕を疑ったし、ゲド戦記はとてもじゃないけど薦められるような作品とは思えなかったし、観てて気持ちのよくなるモノでもありませんでした。個人的にですが。
繰り返しますが、だから当然期待してませんでした。
ついこの前に長野で宮崎親子の密着番組を観るまでは・・・。まんまと思惑にはまりましたね(笑)

思うに、ゲド戦記の良くなかったところは「暗さ」であろうと思っています。
なんか暗い主人公がそれなりに旅して、そこまで魅力があるわけでもない相手とイイ感じになって、なんか冴えないラスボス倒して、なんか冴えないエンディング。風景も衣装も全部暗かった。
結果的に観てて気分も良くならなかったし、ストーリーの良さが絵の悪さで相殺されてた感じ。

で、簡単に言えば、その「暗さ」が今回の「コクリコ坂から」では払拭されてたように感じました。
前述の密着番組でも言われてたように、父の宮崎駿はずっと息子の吾朗の絵に対して不満があって、それが何とは口に出さなかったけれど、最終的に吾郎が自分で気づいたその問題点はやぱり「暗い!」って事だったんです。キャラクターが暗い。これがまず致命的。
ジブリの「亡くなった父・母の思い出」を胸に秘めた「どこか暗い」主人公っていうのは一つの形ではあると思うんだけれど、吾朗監督の場合はなぜかそれが少し暗すぎてたんですね。きっと。
それはどこかで、実際の父である宮崎駿の不在が原点にあるような気もするんですが、まぁそれは置いといて。



で、そうです。「コクリコ坂から」。非常に良かったです。
話は少し変わりますが、父の最新作だった「アリエッティ」、実はこっちも個人的にはあんまりでした。自然崇拝みたいなお決まりのテーマで、小人っていう割と地味な設定。しかもストーリーは、人間に追い出されていく小人=自然破壊みたいな。もうそんなのどうでもいいんですよ。
そういう路線の上で、息子の吾朗監督はいい仕事したんじゃないでしょうか。
宮崎駿脚本を担当したということではありますが、父とは違って、自然崇拝・ファンタジー過ぎないジブリって感じでよかった。設定もナウシカとかラピュタとかゲドとかに比べたら圧倒的に地味ではあるし、舞台も戦後の日本だし、どうなんだろ・・・とは思ってたんだけど、もうね、いいの。

ちゃんと主人公観てて気持ちいいし、応援したくなるし、いいの。相手役の男もいいのよ。
なんかね、久しぶりにジワジワきました。イイ感じ。
ネタバレではないと思うんだけど、韓流ドラマみたいな展開もどうかとは思いつつ(笑)それが陳腐になりすぎないギリギリのところで踏みとどまってる感じもまたよかった。

派手さは無いです。あっと驚く冒険も魔法もないです。子供向けでもないと思います。
それでもイイものはイイのです。ジブリですから。

※ところで、ジブリの主人公って大体女の子ですよね?これってなんで?
なんでジブリって全部「思春期女子の苦労話」みたいなの?誰か教えて!\(-o-)/

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Maira Gall